○製作の準備
カーモデルを製作するうえで最初にやっておきたいことといえばクリアーパーツの保護ですが、今回はすでにキズものになってしまっています…。
とりあえずメッキパーツは無事だったので、まずはそれらを小袋に入れて保護しておくことにしました。
あとはデカールのスキャンです。
痛車系のプラモはアフターサービスでもデカールは非売品となっていることが多く、このキットも例外ではありません。
同じキットを手に入れてデカールのみを活用するにしても、発売から時間が経っていることもあり、入手は容易ではないことが想像されます。
さらに、痛車は複雑な曲面にデカールを貼付する場面が多々あることから、デカールの貼付に失敗することも予想されます。
デカールをスキャンしてPCにデータとして残しておき、万が一の際には印刷できるようにして失敗の備えておきます。
○仮組みする
まずはアライメントの確認のために車の形にして、様子をみてみます。
シャーシのたわみやインテリアとの干渉を考慮し、インテリアのパーツも全て組み込んだ上でチェックしてみました。
フロントは「うみねこ」にセットされているナックルアーム(VR45・46)を使用していますが、それでもまだ車高が高い印象を持ちました。
あと、タイヤがボディからはみ出てしまっています。
リアタイヤは一見車高は良い感じに見えるのですが、正面から見るとネガティブキャンバーがかなり付いた状態になってしまいました。
あまり好みではないので、キャンバー角は修正したいところです。
説明書にてシャーシのリアホイールハウスの厚みを1/2程度削るとの指示があります。
試しに削らずに仮組みしてみましたが、確かに干渉が確認できます。
フロントは大丈夫そうです。
ただ、車高を下げることを考慮すると、念のため削っておいてもよいかもしれません。
説明書にはホイールハウスと同様に、リアフェンダーも厚みを1/2程度削っておいてね、との指示があります。
フェンダーはどちらにせよ、いわゆる爪折り加工を施しておこうと考えていたので、リアだけではなくフロントも削りこんでおくことにしました。
ここはプラスチックの厚みが目立つように思えるので、適度に薄くしておいた方が実感が増すように感じます。
ただ、削り過ぎるとホイールアーチの形状が変わってしまいます。
あらかじめ縁をマーカーで塗装しておくと、どれくらい削れているか目視しやすくなるかと思います。
場所は変わってマフラーです。少しエアロから離れているのが気になりました。
もう少しエアロ側に寄せて一体感が出せたらいいなと思います。
以上、何点か気になるところが出てきました。
○調整する
それでは、気になったところを調整していくことにします。
まずはフロントの車高から始めることにしました。
仮組み時の計測から、フロントは0.5mm車高を落としてみることにします。
車高を下げるにはいくつか方法が思いつきます。
このチェイサーではナックルアーム(VR45・46)をボディ(シャーシ)に対して固定位置を0.5mm上方へ移動させて車高を下げる方法が、簡単そうに思えました。
ナックルアームはシャーシのホイールハウスとロアアーム(A8)の2点で固定されています。
この2点の固定位置を調整すれば車高が下がるはずです。
まずはナックルアームとロアアームの固定部に0.5mmのプラ板を挟んでみます。
次にホイールハウス内にあるナックルアームの取り付け部の厚みを調整します。
厚みが2.5mmあったので、0.5mm削って厚みを2mmに減らします。(取り付け部の横にあるへこみは、ノギスを差し込むために削ったものです)
フロントサス(A6)もホイールハウスとロアアームの2点で固定される構造であるため、ここも調整が必要そうです。
構造的にショックアブソーバ(矢印で示した部位)の長さを調整するのが簡単そうに思いました。
一度切り離してショックアブソーバの長さを計測してみると11mmあったので、スプリング側を0.5mm削って長さ10.5mmにしてから再接着します。
再接着時は念のため、真鍮線を刺して補強しておきます。
次にフロントタイヤのトレッドを調整します。
仮組み時の計測の結果、1mm程度ボディからはみ出していました。ここはホイールの取り付け位置を、1mm車体中心側に寄せたいところです。
しかし、上記写真のようにホイールとナックルアームが接触していて、キットのままではこれ以上車体中心側に寄せられません。よって、ここを調整します。
ホイールは幅が11.7mmあったので0.5削って11.2mmとします。さらにアームもホイールとの接触部位で厚みが1.5mmあったので0.5mm削って1mmとしました。
これで合計1mm削ったことになり、この数値だけホイールが内側に移動する計算になります。
どちらか片方だけ1mm削って調整しても良いのかもしれませんが、強度的に不安があったためそれぞれ0.5mmずつ削ることにしました。
ただ、実際にはこれだけでは足りませんでした・・・。
どうやらホイール中心のボスの厚みと、取り付けピン(VR39)も関係しているようです。
ホイールのボスは内側から深さが5mmであったため、1mm削って6mmとしています。
あとピンも忘れずに1mm短くしておきます。
これでボディにホイールが収まるはずです!
フロントの調整が済んだら、リアのキャンバー調整に移ります。
ブレーキローター(VR43・44)とハブ(VR42)の間に入るVR40・41は、車体上方に向かって薄くなっているようです。これがネガティブキャンバーの原因となっているように思いました。
しかし、このパーツのそれぞれの接着面を平行に、さらに左右同一に仕上げるには熟練の技を要することが想像されます・・・。
ということで、ここはハブ(VR42)とVR40・41の接着面・車体上方側の間にプラ板を挟んで対応することにしました。
これでお手軽に、キャンバーの修正が行えます。
当初1mmのプラ板を挟んだのですが、少し厚すぎたようで今度はポジティブキャンバーになってしまいました。
最終的にプラ板は厚みを0.5mm程度にしています。この方法ならプラ板の厚みでキャンバー角を調整できます。
ちなみにキャンバーを調整したら、リアもトレッドが1mm程はみ出してしまいました。
ここはホイール中心のボスと取り付けピン(VR39)に、フロントと同様の処理をして調整しました。
説明が前後してしまいましたが、キットの仕様ではディスクブレーキとハブの取り付けがイモ付けであるため、強度的に不安が残ります。
ここも接着部位に真鍮線を刺して補強しておきました。
調整が済んだら、再度仮組みして確認してみます。
まあまあ良い感じにまとまったのではないかと・・・。
おっと、ここでトラブルが・・・!
このキットは、繊細なパーツで足回りが再現されています。
その足回りのパーツを眺めていると、チェイサーっていろんなアームに支えられて構成されているのが理解できます。
が、そのアームが細くて、ポキポキ折れてしまいそう…。
私はフロントの足回りを仮組みしているときに、タイロッド(A7)を折ってしまいました…。
こういった部位はプラスチック用の接着剤のみでの再接着では、力がかかるとまた簡単に折れてしまいます…。
しかし、パーツが細すぎて真鍮線での補強も困難そう…。
ということで、折れた部位を中心に瞬間接着剤でコーティングしてみました。
これだけでも意外と強度が増すようで、案外簡単には折れなくなりました。
ちなみに上記のようなことがあったので、念のため最終的なホイール取り付けの工程も変更することにしました。
説明書では足回りを全て組んでから、ホイールを取り付けるようになっています。
しかし、ここはあらかじめブレーキローター(VR43・44)にホイールを取り付けてシャーシに固定してから、タイロッド(A7)を装着するように手順を変更してみました。
これでタイロッドが折れる可能性が軽減されると思います。
あと、タイヤはトレッドの中央にところどころバリがみられました。
ニッパーでぶちぶち切り取ってしまいます。
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